Mountain Lion ファーストインプレッション

先日、Mac OS Xの新バージョンであるMountain Lionのプレビュー版を試す機会があった。

第一印象としては、「iOSのいいとこどり」


Appleのサイトを見れば一目瞭然の話ではあるものの、実際に触ってみるのとサイトでみるのとではやはり違う。
通知センターやリマインダー、メモがMailアプリから分離されているなど、LionのそれよりもよりiOSとの親和性が高まっている。

しかし、これらはどちらかと言えば表面的なことで、一番の注目点はGatekeeperだと思われる。
http://www.apple.com/jp/macosx/mountain-lion/security.html

App Storeからのみを信頼するか、App Storeからダウンロードしたアプリと信頼性のあるデベロッパからのもののみか、すべてを許可するか。
マルウェアなど、昨今のセキュリティの危うさを考えると、こうした取り組みは素晴らしいと思う。
問題点があるとするならば、アプリの開発者は皆Appleデベロッパー登録をしなければならなくなることとなり、自由に配布する文化というものが廃れていくことだろうか。

しかし、安全なコンピューティング環境を望む人であれば、これは歓迎すべき点だろうし、iPhone/iPadを使っている人なら、何の躊躇もなく受け入れられる筈だ。
Appleの狙いというか、したたかさ、とでも言えばいいのだろうか。
その戦略も非常に明確であり、優れている点であると言える。


試した中で気になったのが、既存のアプリが動かない、正常に動作しない、インストールすら出来ない、といった点だろうか。
中身としてどの程度Lionから変更が加えられているかは定かではないが、この点は是非注意したい。
ちなみに、セキュリティ対策ソフトはNortonとウィルスバスターを試してみたが、Nortonはインストールすらできず、ウィルスバスターはインストールは出来たが、完了直後に見事にハングした。

しかし、Gatekeeperが浸透し、デベロッパの全てがGatekeeperに対応したときは、これらのソフトがある程度駆逐される可能性がある。OSに余計な付加をかけるセキュリティ対策ソフトを入れずに済むことは誰しもが歓迎すべきことだが、その分、OSの信頼性が担保されなければ、何の意味も持たないのだから、その点は今後のAppleの取り組みに注目すべきだろう。